伊藤久右衛門(いとうきゅうえもん)
地元の若い学生たちがファミレス感覚で集まる明るい店だな。
立地条件に優れているわね。
気軽に美味しい宇治茶スイーツを楽しめる良い店だと思うわ。
ところでドルチェ、これからどうするの?
東福寺の紅葉をご案内しようと思っております。
夜間拝観を予約しております。
ただし、東福寺は車での来山が禁止されておりますので、
この宇治の地に車を置いて、電車で向かうことにいたします。
あいにくJR奈良線には特急が走っておらず、
お召し列車をご用意できません・・
そこで、忍び難きを忍び、
普通列車にお乗りいただくことになります。
誠に申し訳ございません・・(汗)
東福寺(とうふくじ)
無事到着いたしました。
東福寺は、鎌倉時代の摂政、九条道家が菩提寺として創建した寺院で、
奈良の名刹、東大寺と興福寺の隆盛にあやかり、
それぞれ一文字ずつ取って、東福寺と命名されました。
もともと境内には多くの桜が植えられていたが、
桜の花見で東福寺が遊興の地となり、修行の妨げになっていた。
これに危機感を抱いた室町時代の画僧、
吉山明兆(きつさんみんちょう)が、
時の将軍、足利義持に願い出て、
境内の桜がすべて伐採されることになった。
結果として、
桜の代わりに紅葉の名所として有名になったというわけだ。
紅葉狩りで酒盛りはあまり聞かないわね。
木枯らしが到来する寒い季節で、酒盛りどころではないわね。
同じ京都で、醍醐寺というお寺がありますが、
豊臣秀吉が「醍醐の花見」を開催したという逸話もございます。
ですから、
お寺での花見と言うのは文化として浸透していたのかもしれません。
そういう意味では、
修行のために桜をすべて伐採した東福寺は、
真面目過ぎるくらい真面目なお寺なのかな、
と思ったりします。
とはいえ、
桜の代わりに紅葉で多くの人が集まることに変わりなく、
いささか皮肉めいた話でございます。
殿下、妃殿下、今回の旅は、これにて終わりでございます。
お楽しみいただけましたでしょうか。
電車にお乗りいただき、
車の置いてある宇治まで戻ることにいたしましょう。
ありがとう。
それにしても、普通列車の車内は衆目を集める。
これからはお忍び旅行の服装が必須だな・・
しばし宇治茶でおくつろぎくださいませ。
宇治茶の老舗はいくつかございますが、
今回は伊藤久右衛門(いとうきゅうえもん)をご案内いたします。