エアバス【Euronext: AIR】を独自基準で銘柄格付します。
【データソース】株価推移は Bloomberg、財務推移は Morningstar です。
Ⅰ)株価推移 直近五年 ※橙はS&P500指数ETF【IVV】
Ⅱ)財務推移 直近五年
Ⅲ)審査
①【株価推移】
直近五年でS&P500指数をアウトパフォーム
※最新終値ベース
→該当: 加点あり(1点)
②【売上高】
直近五年で一貫して増加
→非該当: 加点なし(0点)
③【フリーキャッシュフロー】
直近五年で一貫して増加
→非該当: 加点なし(0点)
④【配当総額】
直近五年で一貫して有配かつ増配
※増配は一株ベースではなく総額ベース
→該当: 加点あり(1点)
⑤【フリーキャッシュフロー / 売上高】
直近五年で一貫して20%以上を維持
→非該当: 加点なし(0点)
エアバス【Euronext: AIR】は、フランスに本拠を置く、
欧州最大の航空機メーカーだ。
米国のボーイング【BA】の好敵手として有名だ。
日本政府は、日本の高品質な電子部品や素材製品について、
日本国内の自動車産業偏重の現状に危機感を抱き、
海外航空機産業への販路拡大を企図している。
2017年3月、日本政府(経産省)はフランス政府と結び、
日本企業とエアバスとの連携強化を目的とした覚書を締結した。
また、米国にも配慮して、
2019年1月には、日本政府(経産省)とボーイングとの間で、
航空機の技術協力で合意した。
まさに、世界航空機産業の二大巨頭を両天秤にかけた戦略である。
この二大巨頭を財務比較してみると、
軍配は米国ボーイングに上がる。
ボーイングの銘柄格付は下記リンクを参照願いたい。
対するエアバスは、ボーイングに比べ、
フリーキャッシュフローが極めて薄弱な状況だ。
配当総額は増加を続けているが、
直近のFY2018を見ると、
原資とすべきフリーキャッシュフローが明らかに不足している。
背景にあるのは、設備投資の負担だ。
営業キャッシュフローの大部分が、設備投資に侵食されている。
その結果、フリーキャッシュフローがほとんど残らない。
財務推移のグラフを見るとわかるように、
フリーキャッシュフローが「超低空飛行」で推移していることがわかる。
増配ポテンシャルの欠如は明白である。
エアバスの事業構造を見ると、
FY2018売上高の74%が、民間航空機事業「エアバス」ブランドとなっている。
続いて、売上高の17%が、
「ディフェンス・アンド・スペース(国防&宇宙産業)」となっている。
残りの9%が、「ヘリコプター」となっている。
ブランド力は強大なだけに、さらなる収益性の強化を期待したい。
【銘柄格付】 ボーイング【BA】The Boeing Company 2019年8月30日終値
Ⅳ)格付 ※最高評価は五つ星。最低評価は星なし。
投資決定は自己責任でお願いいたします。
そして、薔薇の艦隊は、必ず百年戦争(人生百年時代)に勝利する。
銘柄格付を通して、前途有望な米国株銘柄を探求しよう!
※今回は、米国株ではなく、欧州株を取り上げます。