テスラ【TSLA】を独自基準で銘柄格付します。
【データソース】株価推移は Bloomberg、財務推移は Morningstar です。
Ⅰ)株価推移 直近五年 ※橙はS&P500指数ETF【IVV】
Ⅱ)財務推移 直近五年
Ⅲ)審査
①【株価推移】
直近五年でS&P500指数をアウトパフォーム
※最新終値ベース
→非該当: 加点なし(0点)
②【売上高】
直近五年で一貫して増加
→該当: 加点あり(1点)
③【フリーキャッシュフロー】
直近五年で一貫して増加
→非該当: 加点なし(0点)
④【配当総額】
直近五年で一貫して有配かつ増配
※増配は一株ベースではなく総額ベース
→非該当: 加点なし(0点)
⑤【フリーキャッシュフロー / 売上高】
直近五年で一貫して20%以上を維持
→非該当: 加点なし(0点)
起業家イーロン・マスク氏がCEOを務める電気自動車メーカーである。
彼の経営者として不適切な言動は、
会社の先行きに不安を抱かせるに充分なものがある。
企業分析をする際、私が最も尊重するのは「定量分析」である。
つまり過去の実績数値を重視する。
テスラ【TSLA】の定量分析から言えることは「不安定」の一言である。
増資を重ね、売上高を伸ばしているにもかかわらず、
フリーキャッシュフローがマイナスに推移しており、
安定とは程遠い財務状況である。
定量分析の対極に「定性分析」というアプローチがあるが、
経営者の言動が、企業の評価に多大な影響を与えていることを考えると、
ここまで定性分析を意識させる企業も珍しい。
テスラ【TSLA】の電気自動車普及に必要なことは、
急速充電器「スーパーチャージャー」の増設である。
少なくとも、既存のガソリンスタンドに標準設置させるくらいの勢いで、
増設を推進することが求められる。
電気自動車そのものの開発費用も莫大なものがあるが、
走らせるためのインフラ整備にも膨大な費用負担が予想される。
つまり、一種の電力会社の機能が必須となるわけだが、
一社で負担するには重すぎる負担だ。
懸念するのは「スーパーチャージャー」が自社専用となっていること。
これがかえって仇となりはしないか。
自社専用ではなく汎用性を持たせて初めて、
公共利便性向上のモチベーションが高まり、
官からの支援も受けやすくなると考える。
電気自動車は夢のある話だが、
普及の前途にまだまだ多くの課題が山積していることから、
投資家の立場としては、安易に投資すべきではないと考えている。
財務状況が安定してから投資に踏み切っても決して遅くはない。
今はまだ「投機」の段階であり、
「投資」できる段階には達していないと判断する。
Ⅳ)格付 ※最高評価は五つ星。最低評価は星なし。
投資決定は自己責任でお願いいたします。
そして、薔薇の艦隊は、必ず百年戦争(人生百年時代)に勝利する。
銘柄格付を通して、前途有望な米国株銘柄を探求しよう!