私たちの課題。
暴落の際「底値でロングエントリー」できるようになること。
そこで、さまざまな暴落を検証しながら、
底値買いの精度を高めていきたい。
題して「底値迎撃演習」だ。
絶妙なタイミングで底値を迎え撃つ。
今回は、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン【BTC】を検証しよう。
底値を探るツールとして、テクニカル指標を使う。
さまざまな種類があるが、
オシレーター系のテクニカル指標のひとつに「RCI」というものがある。
これに独自に改良を加えたものが、「マリアRCI」という指標である。
万能な指標は存在しないと承知の上で、
現時点でもっとも精度の高い指標として活用している。
「マリアRCI」の使い方は「マイナス240%以下」で「売られ過ぎ」と判断し、
底値買いのタイミングとみなす。
ピンクの四角で囲った暴落、①と②を比べてみよう。
暴落の規模としては、どちらが大規模だろうか?
答えは①だ。
マリアRCIで、アラーム(マイナス240%以下)を発出したのは①だった。
安値更新した②では、アラームを発出しなかった。
これはなぜか?
RCIの特徴として、一定規模の変動が必須、
変動には上昇と下落があるが、
下落の場合、「下落期間」を重視する指標だから。
一定期間、下落し続けることが必須となる。
一定期間を満たさずに下落が終了した場合、うまく機能しない。
②の場合、もうしばらく下落が続いていれば、アラームが発出していた。
だが実際は、安値更新したにも関わらず、
すぐに上昇に転じてしまったために、
アラーム発出に至らなかったというわけだ。
そこで、アラームを確実に発出させようと思えば、
パラメーターを「より短期間」に設定すれば機能する。
だが副作用としてアラームが頻出してしまう。
アラーム頻出を覚悟の上で、
あらゆる暴落に対応できるように、
パラメーターをより短期間に設定するのか?
その場合、アラームが鳴るたびに追加投入できるよう、
余力資金を細かく分割して、待機させる必要がある。
あまり細かく分割し過ぎても、各個の効果が減少してしまう。
今回のビットコインの事例が興味深いのは、
リーマンショックにおけるナスダック100【NDX】
の底値考察と対照的だということ。
リーマンショックの場合は、
パラメーターを「より長期間」に設定し直すことで、
底値判定の精度を高めることができた。
(だが、そうすると通常の暴落には機能しなくなるため、
私は短期間のパラメーターで行こうと決めた。)
一方で、今回のビットコインの事例は、
短期間の変動が頻発するがゆえに、
パラメーターを「より短期間」に設定し直すことで、
精度を高められることがわかった。
事程左様に、パラメーターを最適化させることは難しい。
株価指数、暗号資産、それぞれ相場変動の性質が異なるだけでなく、
暴落も過去と同様のパターンで再現されるわけではない。
そういう意味で、あらゆる事象に対応するには限界がある。
市場予測の情報収集に努め、
それに対応してこまめにパラメーターの設定を変えたところで、
それが確実に機能するという保証もない。
それはもともとわかっていたことだが、
検証することで、あらためて実感することができた。
カーブフィッティング(過剰最適化)の泥沼にはまらないよう、
心的態度として一定の距離感を保ち、
限界があるものと割り切って、賢く使いこなしていこうと思う。