【底値の見分け方】
今回は、ドキュサイン【DOCU】を例に、
底値の見分け方を探っていきます。
クラウドベースで、電子署名のソフトウェアを提供するハイテク企業だ。
次に、底値を考える前提について説明しよう。
ここではシンプルに、テクニカルの視点で底値を考えることにしよう。
①チャートで示されている期間に限定して、底値を考えるものとする。
②同社の決算情報は、一切考慮しないものとする。
つまり、上記のチャートが、
私たちに与えられている情報のすべて、と仮定する。
この限られた情報を利用して、
底値を見つけるとしたら、どういった方法が考えられるだろうか?
マリア少将、思うところを述べてみてほしい。
同社の株価は総じて下落基調にあります。
移動平均MA50のラインが、2021年3月以降、下落を続けています。
したがいまして、今後、さらに安値を更新し、
より深い底値をつける可能性もあるのですが、
今回は、チャートで示されている期間に限定しますので、
その条件でいいますと、底値のタイミングは二度ありました。
この二度のタイミングで、共通している点、共通していない点、
ペリドット少佐はどう思うかな?
マリアRCIが、ともに「売られ過ぎ」を示していることです。
(※当ブログでは、マイナス240%以下を「売られ過ぎ」と判定し、
底値の目安としています)
一方で、興味深いのは、ペリドットウェーブです。
①と②を比べたとき、底値がより深いのは、②です。
それにも関わらず、
ペリドットウェーブは、①には接触していますが、②には接触していません。
(※当ブログでは、移動平均MA50との乖離率マイナス20%を、
「ペリドットウェーブ」と呼んでいます。
このペリドットウェーブを下回るほどの株価下落を、
底値の目安としています)
これが、共通していない点です。
もともと「万能な指標は存在しない」と承知した上で、
ペリドットウェーブやマリアRCIを使用しているが、
指摘の事象は、ペリドットウェーブが底値判定にうまく機能しない場合がある、
という好例といえる。
つまり、移動平均との乖離率だけでは、
底値を正確に見極めることはできない、ということだ。
万能ではないという意味では、マリアRCIにおいても言えるだろう。
たまたま今回は、①も②も、底値の目安に合致していたが、
もし、これとは異なるチャートであれば、
底値の目安としているマイナス240%に達しないまま、
底値を付ける場合もあるだろう。
だから、あくまでも目安に過ぎないと割り切ることが必要だな。
令和式目第四条で定めている「底値でロングエントリー」の条件を、
再考する必要があるかもしれません。
つまり、現状では、
マリアRCIとペリドットウェーブの底値条件を「ともに」満たした場合、
ロングエントリーを発動するとしています。
これを今回のチャートに適用すると、
①の場合はあてはまりますが、②の場合はあてはまらないことになります。
そうなりますと、
「ともに(AND)」ではなく、「どちらか(OR)」のほうが、
底値をカバーする確率が高まります。
ロングエントリーの乱発につながる危険がある。
即断はせず、じっくりと、他の事例で検証してみることにしよう。
2021年6月4日(金)現在、日次安値ベースのチャートです。