【美食探訪】京の夏の旅【中編】鮎茶屋 平野屋 2022年9月

ドルチェ
殿下、妃殿下、到着いたしました。

京都の鮎料理の老舗、平野屋でございます。

鮎茶屋 平野屋(あゆちゃや ひらのや)

鮎茶屋 平野屋 公式サイト


【京都奥嵯峨で四百年の歴史を持つ平野屋】

エディ
おお・・

まるで「まんが日本昔ばなし」の世界だな。

ドルチェ
京都の奥嵯峨は、
愛宕(あたご)信仰で知られる場所でございます。

愛宕神社の参詣者に対し、
平野屋さんは四百年前から、
名物団子「志んこ(しんこ)」でもてなしてきた茶店です。

また鮎問屋を営んでいたこともあり、
やがて鮎料理を提供するようになったとのことです。


【個室からの眺め】

ローズ
素敵!
水の音、鈴虫の声・・ 

奥嵯峨の風情を満喫できる場所ね。

エディ
奥嵯峨の大自然に包まれて、鮎料理に舌鼓か。

なんとも風流だな。

ドルチェ
まずは、名物団子「志んこ」でございます。


【米粉で手造りした団子「志んこ」】

ローズ
食感がみたらし団子とは違う。

志んこは、
ニッキ・お茶・白の三色団子に、
きなこと黒糖がまぶしてある。

ねじれた形は、
愛宕神社に至る愛宕山の山道を表現しているのね。

機械の製造工程では得られない、
手造りならではの味わいね。


【前菜 織田信長ゆかりの赤こんにゃく】

エディ
赤こんにゃくと言えば織田信長。

派手好きな信長がこんにゃくを赤く染めるように命じたと、
安土城のある滋賀県近江八幡市地域に伝承されている。

一方、京都の愛宕神社と言えば、
本能寺の変の直前、
明智光秀が戦勝祈願に訪れ、
おみくじを引いた場所として知られる。

時は流れ、
愛宕山のふもとで、
こうして信長ゆかりの赤こんにゃくが提供されている。

これを見て、明智光秀はあの世から何を思うだろうか。

ドルチェ
「うまそう!」と思っているに違いありません。
ローズ
こらっ!
ドルチェ
失礼いたしました・・

さて、ここから平野屋さん自慢の鮎料理の登場です。


【鮎のお刺身 生簀の鮎を捌いた逸品】


【鮎の塩焼き 蓼酢(たでず)が鮎の香りを引き立てる】

ドルチェ
随筆家白洲正子さんは、
平野屋さんの鮎を大変気に入り、
毎年のように訪れていたそうです。

著書で平野屋さんを次のように絶賛しています。

鮎そのものがどんなにおいしくても、
焼きかた一つでうまくもまずくもなる。

平野屋さんはその焼きかたが芸術的に上手なのだ。

白洲正子著「夕顔 / 鮎だより」より引用

エディ
平野屋さんの鮎の塩焼きは、
まさに王道中の王道。

保津川源流で釣った鮎を、
店の生簀で一晩休ませ、
客に提供する直前に、
串で刺し、塩を振り、炭火で焼いた芸術品。

余談だが、
かの文化人、北大路魯山人は、
輸送手段が未発達の時代、
日本一美味しい鮎とされる保津川の鮎を、
生きたまま京都から東京まで運ばせたそうな。


【茄子の胡麻和え】

ドルチェ
私としては、茄子の胡麻和えに、
日本人としての「安心感」を感じてしまうのでございます。

昔ながらの日本の味。

彩りは地味ながら、
心に安らぎを与えてくれる味だと思います。


【鮎のお粥】


【鮎の田楽焼き】

ローズ
鮎の上に置かれている細長い葉は、
蓼酢の蓼の葉。

ピリッと辛い日本の香草ね。


【鮎の天麩羅】

エディ
鮎、とうもろこし、茄子、それぞれの素材の味が活きている。

天麩羅とはこんなに旨いものか。
素材のみずみずしさを感じる天麩羅。

平野屋さんの天麩羅は異次元の美味しさだ。


【ほうじ茶でほっこり】


【からし豆腐】

ローズ
嵯峨豆腐の名店森嘉(もりか)さんの豆腐。

おわん型の豆腐の中心に、
和からしが入っていて、
夏季限定の味とのこと。


【赤だしの味噌汁】

エディ
雑味なし。

赤だしでありながら、
深みと広がりを感じさせる芳醇な味わいだ。


【香の物】

ドルチェ
私はこれさえあれば、御飯を美味しくいただけます。

私の普段の食生活において、
納豆と並んでベーシックインカム的な存在です。

ローズ
ん?


【御飯】

ローズ
御飯が立ってる!

お手本のような御飯ね。


【季節の果物】

ドルチェ
鳥取県のブランド梨「新甘泉(しんかんせん)」とシャインマスカット。

器もいいですね。
夏の涼を感じます。


【舞妓さん芸妓さんのうちわ】

ローズ
うちわが飾られているところを見ると、
京都五花街とのつながりがあるのね。

平野屋さんは、美味しくて風情があって、
とても素敵なお店だったわ。

ごちそうさまでした。

エディ
コロナとの共存を図ることにより、
世界に誇る京都の食文化が、
これからも継承されることを希望します。

平野屋さん、ごちそうさまでした。

ドルチェ
平野屋さん、鮎尽くしのお料理、ありがとうございました。

最新の平野屋さんの公式サイトによりますと、
来月10月1日からお料理が値上げされます。

物価高騰の影響がここにも現れています。

また、10月11日から政府の水際対策が緩和されます。
①1日あたり5万人の入国者数の上限撤廃 
②ビザ取得の免除 
③個人旅行の再開 

これにより、京都への外国人観光客の増加が予想されます。

インバウンド再開で、
これまでの観光業の損失を挽回できるといいですね。

外国人観光客で混雑する前に、
京都を存分に楽しんでおくのが得策と考え、
京の夏の旅を企画いたしました。

旅の最後に、
再び大覚寺にご案内いたします。

殿下、妃殿下、御乗車くださいませ。

2 件のコメント

  • こんにちは〜、ドルチェさん
    続編を楽しみにしてました。
    鮎のフルコースなんですね!
    美味しそうな写真に詳しい説明付きで、赤こんにゃくと鮎のお刺身が気になります。
    最後の梨のカットの断面が余りにも見事で見惚れてしまいました。
    見た目は重要だけに😍
    私も食べたつもりでご馳走様でした😊

    • ウォッカさん、こんばんは。
      執事のドルチェです。
      夏の京都の代表的な料理と言えば、鮎ですね。
      そうです、鮎料理の老舗で「鮎のフルコース」を堪能してきました。
      鮎のお刺身ですが、生簀から店の主人が鮎を取り出し、
      すぐに捌いてお刺身にしてくれた新鮮なものです。
      条件が揃わないとできないので、希少価値が高いです。
      赤こんにゃくは近江八幡の名物ですが、愛宕山のふもとに登場、ということで、
      信長と光秀の浅からぬ因縁を感じました。
      「最後の梨のカットの断面が余りにも見事で見惚れてしまいました。」
      見惚れたのはそこですかっ!(笑)
      「見た目は重要だけに😍」
      確かに・・目で楽しむのも美食の重要なポイントですよね。
      断面、つまり切れ味の鋭さが梨の形に表れていたわけで、
      これは一枚の写真からウォッカさんが感じられたことですけれども、
      一方で、美食ではなく、ブログの本題である投資に関して言うと、
      投資手法の切れ味の鋭さ、というのは、時間が経たないと結果に表れないのでもどかしい。
      特に今の下落相場の局面では、日々見かけの損失(含み損)が増える一方なわけです。
      これを読者が見たときに、いったい何が良いのか、何が楽しくてそんなことをしているのか、
      そういう風に見られても仕方がない側面があります。
      どんな局面でも利益が出せるのがベストなのでしょうが、それができれば苦労しません。
      このことはすべての投資家に共通する永遠の課題なのかもしれません。
      いずれにせよ、投資の最後には、
      「ご馳走様でした」と言って満足して終えられるようにしたいですね。

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