インフレにコモディティー投資は有効か?
インフレの時代はモノへの投資が有利ということで、
最近コモディティー投資が注目されている。但し、商品価格は原油が典型だが、とにかく価格変動が激しい。
それゆえインフレだからと言って、
即まとめ買いすることは薦められない。常に高値掴みのリスクがある。
しかも原油と金以外の市場は規模が小さく流動性も少ない。そもそも長期投資するのであれば、
長期トレンドが右肩上がりであることが前提となる。その過程で短期的価格変動が激しいから少しずつ買い増すことに意味があるのだ。
2022年6月29日(水)豊島逸夫の手帖
「コモディティー投資」にはご用心 より引用
2022年6月29日(水)豊島逸夫の手帖「コモディティー投資」にはご用心 全文
商品(コモディティー)というのは。
あくまでも短期トレードが主戦場。
インフレに対応した長期投資に向いているのは限られていて、
市場規模と流動性から見ると、
こつこつ積立する価値のある商品(コモディティー)は、
金投資ぐらいのものでしょうね。
三菱マテリアルの純金積立が有名ですね。
また、証券会社でも金価格に連動したETFを取り扱っています。
SPDR Gold Shares 【GLD】が有名です。
これは現物の金の裏付けを持つ世界最大級のETFです。
一方で、原油の長期積立投資というのは、
私の知る限り、実際のところ聞いたことがありません。
もっぱら短期の先物取引というイメージです。
コンタンゴで減価するため、原油は長期には向いていないのかな?
(エクソン・モービル【XOM】等の石油株の話はしていません。
あくまでも原油価格の話をしています。)
S&P500【SPX】と比較すると、原油と金は長期投資に向いているのか?
流動性の高いのは、原油と金。
長期的なスパンで保有し続けた場合、
S&P500【SPX】と比較したとき、
原油と金は長期投資に向いているのでしょうか。
Investing.com のチャートで比較検証してみました。
赤はS&P500【SPX】、
青は原油価格(WTI原油先物)、
黄色は金価格(金先物)を示します。
原油は短期決戦一択ですね。
金投資ならS&P500【SPX】のリスクヘッジとして使えるかもしれません。
しかし恐怖指数【VIX】と違って、
必ず逆相関の動きをするとは限らないということ。
この点、注意が必要です。
もし、リスクヘッジにそれほどこだわらないのであれば、
初めからS&P500【SPX】に全振りしていたほうが、
長期的に見て効率が良さそうです。
豊島逸夫さんのおっしゃるように、
「長期投資するのであれば、長期トレンドが右肩上がりであることが前提」です。
金投資のスペシャリストとして知られる豊島逸夫さんは、
コモディティー投資には用心するよう警鐘を鳴らしています。