【銘柄格付とは】
独自の視点で、長期投資に適した銘柄を探ります。
下記の条件を満たす個別株を、
理想の銘柄「三つ星銘柄」とします。●フリーキャッシュフローマージンが一貫して20%以上
(対象期間は、原則としてFY2009以降とします。)フリーキャッシュフローマージンとは、
「自由資金の創出力」を評価する指標です。
「フリーキャッシュフロー / 売上高」で算出します。
営業キャッシュフローマージンのフリーキャッシュフロー版です。さらに、下記の基準で段階的に格付します。
●一貫して20%以上 ⇒ 三つ星(最高評価)
●一貫して10%以上 ⇒ 二つ星
●一貫して 0%以上 ⇒ 一つ星
●上記以外 ⇒ 星なし(高位安定を優先する観点から)
シェブロン【CVX】の格付は【星なし】となりました。
前回のエクソン・モービルで、
石油業界に逆風が吹いていると述べましたが、
シェブロンも同様に苦境に喘いでいる様子が、グラフからもうかがえます。
このままでは、縮小均衡すら危うい、存続の危機だと感じます。
私の場合、石油株に長期投資の妙味を感じないのですが、
その理由は三つあります。
①商品市況に左右されるため。
つまり、原油の価格下落で採算が悪化するため、
原油価格をコントロールできない経営陣にとって、
縮小均衡で採算を合わせるしか手段がないこと。
②資源を売ることで成り立つビジネスであるため。
すなわち、掘削、精製、輸送、保守等、
絶え間ない設備投資(事業存続に必要な経費)が必要とされ、
結果として、手元に残るフリーキャッシュフローが少なくなってしまうこと。
③高配当が石油株の魅力とされているため。
配当の原資はフリーキャッシュフローです。
フリーキャッシュフローマージンが低位で推移しているにも関わらず、
高配当を売りにして、株価を維持していること。
身の丈に合っていないのは明らかで、健全な状態ではありません。
今後、脱炭素社会が実現したとしても、
原油自体の需要が無くなることはないと推測しますが、
石油株の株価に影響を与えるファクターが、
上記の通り、不利なファクターである以上、
ポートフォリオの主力銘柄に据えるのは、リスキーな選択と考えます。