【銘柄格付とは】
独自の視点で、長期投資に適した銘柄を探ります。
下記の条件を満たす個別株を、
理想の銘柄「三つ星銘柄」とします。●フリーキャッシュフローマージンが一貫して20%以上
(対象期間は、原則としてFY2009以降とします。)フリーキャッシュフローマージンとは、
「自由資金の創出力」を評価する指標です。
「フリーキャッシュフロー / 売上高」で算出します。
営業キャッシュフローマージンのフリーキャッシュフロー版です。さらに、下記の基準で段階的に格付します。
●一貫して20%以上 ⇒ 三つ星(最高評価)
●一貫して10%以上 ⇒ 二つ星
●一貫して 0%以上 ⇒ 一つ星
●上記以外 ⇒ 星なし(高位安定を優先する観点から)
エクソン・モービル【XOM】の格付は【星なし】となりました。
1930年から2016年まで、
S&P信用格付で最高格付のAAAを付与されていた名門企業でした。
格下げの原因は、原油安の長期化です。
それまで強固だった財務基盤が揺らいだことにあります。
現金創出力(キャッシュフロー)の弱体化は、
S&P信用格付に大きな影響を与えることが分かります。
さらに追い打ちをかけるように、
気候変動対策が世界的運動として活発となり、
「脱炭素社会」をスローガンに、
石油依存からの脱却が求められるようになり、
石油業界への逆風が強まっています。
FY2020の12月通期決算で、
エクソン・モービルは、フリーキャッシュフローがマイナスに転じました。
現金流出が顕在化した形です。
フリーキャッシュフローに支えられてこその配当ですので、
現在 5.9% を誇る高い配当利回りを維持するのは、
現状のままでは大変な困難が予想されます。
唯一の光明は、物言う株主の存在です。
2021年5月26日、エクソン・モービルの株主総会で、
事業の多角化と気候変動対策を迫る、
物言う株主(アクティビスト)の影響力が強まり、
物言う株主の推薦する取締役が選出されました。
今後、エクソン・モービルの経営方針がどう変化していくのか、
今後の動向に注目です。