レバレッジETF【SPXL】が未来永劫上昇し続ける保証はない!
例えば昨年のコロナショック。
たまたま長期低迷を免れた幸運な暴落だった。
底値からの反転上昇を目の当たりにして、
「下がれば買う」という行動様式が一般的となった。
これは長期低迷が発生しないことを前提にした、楽観的な投資行動だ。
だが、私はここに死角があると見る。
未来永劫上昇し続ける保証はどこにもない。
次の暴落がいつ起こるかを予想するのは困難だが、
暴落が起こることを想定して、防御力を増強しておくのが賢明だ。
それは一面においては、買付余力の一定確保を意味する。
また別の面においては、株式相場の暴落によって、
逆に上昇していくような金融商品を持つこと。
つまり、逆相関の追求。
これが防御力の増強にきわめて有効だと考えている。
債券ETF【TMF】か、恐怖指数【VIX】か?
防御力を増強するために何が必要か。
有力な候補として私が注目している金融商品は二つある。
ひとつは債券ETF。
それもレバレッジをかけた債券ETFで、
ティッカーは【TMF】と呼ばれるものだ。
具体的には「20年超国債ブル3倍」といって、
長期国債の日々の値動きに、3倍のレバレッジをかけたETFだ。
もうひとつは、恐怖指数【VIX】だ。
暴落の際に必ず参照される有名な指数である。
では、債券ETF【TMF】と恐怖指数【VIX】を比べたとき、
逆相関を追求する上で、どちらを選んだ方がより有効なのだろうか?
そこで、昨年のコロナショック、
CY2020、1月から12月までの一年間をグラフにして比較してみた。
年初を「1.00」としてスタートしたとき、
2020年3月の暴落でどのように推移していったのか?
逆相関の有効性を御確認いただきたい。
レバレッジETF【SPXL】の逆相関を追求するなら債券ETF【TMF】より恐怖指数【VIX】が有利と判明!
債券ETF【TMF】と恐怖指数【VIX】を比べると、
暴落の反応度の高さという観点では、
恐怖指数【VIX】のほうが「より過敏」に反応する。
一方債券ETF【TMF】はマイルドな反応。
レバレッジをかけた状態でこの程度の反応度なのだから、
現物債券ETFの反応度は推して量るべし。
それからもうひとつ。
債券もコロナショック当初は急騰したが、
その直後「急激に売り込まれる」場面があった。
追証対応等で現金化を急いでいたのだろう。
投資家の慌てふためく有様を証明するような動きだった。
現金化される直前に、
急騰のタイミングで首尾よく売り抜けることができるか?
ここが難しい。
ならば素直に恐怖指数【VIX】のほうが、
逆相関の果実を容易に得られると見た。
次回は、恐怖指数【VIX】への投資について、
深く掘り下げていこうと思う。