アルトリア・グループ【MO】を独自基準で銘柄格付します。
【データソース】株価推移は Bloomberg、財務推移は Morningstar です。
Ⅰ)株価推移 直近五年 ※橙はS&P500指数ETF【IVV】
Ⅱ)財務推移 直近五年
Ⅲ)審査
①【株価推移】
直近五年でS&P500指数をアウトパフォーム
※最新終値ベース
→非該当: 加点なし(0点)
②【売上高】
直近五年で一貫して増加
→非該当: 加点なし(0点)
③【フリーキャッシュフロー】
直近五年で一貫して増加
→非該当: 加点なし(0点)
④【配当総額】
直近五年で一貫して有配かつ増配
※増配は一株ベースではなく総額ベース
→該当: 加点あり(1点)
⑤【フリーキャッシュフロー / 売上高】
直近五年で一貫して20%以上を維持
→非該当: 加点なし(0点)
かつて、インカムゲイン投資、
特に「配当再投資戦略の成功事例」として称賛された時代があった。
しかし、今は昔のこと。
すでに時代の潮流は変わった。
国連のSDGs採択を受け、
原則禁煙の流れが世界各国で法制度化されていくなかで、
今後の売上高成長を期待するのは無理がある。
たばこ単価の値上げで売上高を確保する手法も、
そろそろ限界に近付いていると考える。
アルトリア・グループ【MO】は、
世界売上高トップのたばこブランド
「Marlboro(マールボロ)」を保有する名門企業であるが、
今後の経営環境の悪化を見据え、世界最大のビールメーカー、
アンハイザー・ブッシュ・インベブ【BUD】の大株主となるなど、
経営の多角化を模索している。
市場は時代の潮流に敏感に反応している。
株価推移を見てみよう。
2017年5月を頂点に、株価下落が始まり、
途中アップダウンが見られたものの、総じて下落基調が続いている。
市場の期待が収縮していることの表れだ。
一方で、財務推移を見てみると、
同社の株主還元にかける「執念」が伝わってくる。
売上高が頭打ちであるにもかかわらず、
配当支払を総額ベースで毎年増やし続けている。
FY2018通期決算においては、
今後の増配余力を確保するため、
フリーキャッシュフローを大幅に増加させた。
執念には脱帽するが、
潮流に抗うことができるのも時間の問題だ。
長期的な視点に立てば、
安心して保有できる銘柄とは決して言えない。
Ⅳ)格付 ※最高評価は五つ星。最低評価は星なし。
投資決定は自己責任でお願いいたします。
常時不断の見直しを行い、米国株ポートフォリオのあるべき姿を追求していく。
百年戦争(人生百年時代)に勝利するため、前途有望な米国株銘柄を探求しよう!