フィリップ・モリス・インターナショナル【PM】を独自基準で銘柄格付します。
【データソース】株価推移は Bloomberg、財務推移は Morningstar です。
Ⅰ)株価推移 直近五年 ※橙はS&P500指数ETF【IVV】
Ⅱ)財務推移 直近五年
Ⅲ)審査
①【株価推移】
直近五年でS&P500指数をアウトパフォーム
※最新終値ベース
→非該当: 加点なし(0点)
②【売上高】
直近五年で一貫して増加
→非該当: 加点なし(0点)
③【フリーキャッシュフロー】
直近五年で一貫して増加
→非該当: 加点なし(0点)
④【配当総額】
直近五年で一貫して有配かつ増配
※増配は一株ベースではなく総額ベース
→該当: 加点あり(1点)
⑤【フリーキャッシュフロー / 売上高】
直近五年で一貫して20%以上を維持
→該当: 加点あり(1点)
世界最大のたばこ会社である。
世界売上高トップのたばこブランド
「Marlboro(マールボロ)」を保有する名門企業だ。
2008年、アルトリア・グループ【MO】の米国外事業が分離して誕生した。
従来の紙巻たばこに代わり、
近年、加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」が普及している。
加熱式たばこは、たばこ葉の温度を300度以下で加熱して、
煙ではなく蒸気を発生させる。
燃焼による煙や灰が発生しないことが利点とされる。
(ただし、特有の臭気は存在する。)
2014年11月に日本でIQOSが発売開始されて以来、
世界で800万人を超える成人喫煙者が、すでにIQOSに切り替えているという。
ただし、主要な普及国が日本と韓国に留まっていることに注意したい。
同社は欧州への普及拡大を狙っているが、
2015年9月の国連サミットで採択された、
「SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)」に伴って、
世界規模でのたばこ規制が年々強化されている。
これが普及拡大の阻害要因となっている。
確かに昔に比べ、公共の場において、
喫煙できる場所が減少しているのは事実である。
紙巻たばこの愛煙家世代が存命中は、
たばこ値上げで売上高を維持することも可能であろう。
だが、可処分所得の少ない世代の割合が増えていくなかで、
たばこは決して生活必需品ではなく、贅沢な嗜好品となりつつある。
よって今後、たばこ離れがますます加速することが予想される。
そういう意味で、同社の事業転換の潮時が、果たしていつになるのかが注目される。
そうなったとき、現状の潤沢なフリーキャッシュフローが維持できるのか、
懐疑の念を抱かざるを得ない。
Ⅳ)格付 ※最高評価は五つ星。最低評価は星なし。
フィリップ・モリス・インターナショナル【PM】の格付は
【二つ星】となりました。
投資決定は自己責任でお願いいたします。
そして、薔薇の艦隊は、必ず百年戦争(人生百年時代)に勝利する。
銘柄格付を通して、前途有望な米国株銘柄を探求しよう!